福島第一原発の処理水
みなさーん、こんにちは!
Tom's Kitchenです!
今日も料理とは関係のない話題です。
料理の動画は毎週土曜日の午前10時に公開しているのでお楽しみに!
(編集が間に合わなかったりして遅れたりお休みすることもありますが(笑))
さて、今日の話題は福島第一原発の処理水の問題です。
いや、処理水が環境に良いとか悪いとか論じるつもりはありません。
昔放射線標識抗体を使った検査装置の開発にも携わったことのある私には処理水が環境に悪いとは考えていませんが、今日話題にしたいのはそのことではありません。
私が処理水を海洋投棄することで一番懸念するのは環境でも健康被害でもなく風評被害です。もちろん、環境負荷や健康被害も気にはなりますが、基準値を大きく下回る量でありもともと自然界にあるトリチウムで半減期も12年と比較的短い核種であること、出てくる放射線はアルファ線と呼ばれる紙一枚で防げるなど理由はいくらでもありますが、そんなことをいくら述べても説得力はないと思っています。
そんなことよりもコロナ渦で低迷する飲食業界や関連する卸業者、生産者、中でも漁業従事者にとっては、風評被害は計り知れないものがあると思います。
最低でも福島周辺の漁業者が納得できるまで十分な説明を終えるまで海洋投棄は待つべきではないかと思います。
じゃぁ、どこまで説明すれば漁業者が納得できるのか?
風評被害が絶対ないと言い切れるまでは納得できないでしょう。私が漁業者ならばそう思います。
では、どうしたら風評被害をなくすことができるでしょう。
風評被害は間違った情報が、正しい情報のように広まることで起こるのではないかと思います。
これはその情報が正しいのか間違っているのか見極める能力が欠如しているからだと思われます。NHKのニュースで放射能について取り上げていても伝えている人が放射能についての知識が不足していれば説得力がありません。仮に知識を十分に備えたアナウンサーや解説員であってもわずか数分の間に知らない専門用語を一言でも使って説明されても心には響かないでしょう。
それよりも市中で流れている噂のほうが説得力があります。適度に嘘や尾ひれがついた間違った情報は心に響きやすいばかりか、仮に嘘くさいと思った情報でも万が一本当だったらと思って行動するのが人間だと思います。
であれば、知識をつければいい訳ですが、私でも放射能と放射線の違いをきちんと分かりやすく説明できるようになるまで一か月くらい集中して勉強してやっとでした。もっと言えば、それをわかりやすく素人に説明しようとしたらニュース番組の5分や10分程度の1コーナーだけでは説明しきれません。
質疑応答を繰り返しながら1、2時間かけてやっと「なんとなく理解できた」程度だと思います。しかも一か月後には忘れてしまっているかもしれません。
日本国民みんなが原子力の専門家になれるわけではありませんし、一夜漬けの勉強程度で処理水の海洋投棄が安全だなどと思えるようなれる人はごくわずかでしょう。
とても風評被害をなくすことなどできるとは思えません、漁業従事者の方々も納得はできないでしょう。
せめてコロナが収束してから発表するべきだったのではないでしょうか。
その間に国民に安全性を十分に担保できるよう設備を整え、情報公開し(探しにくいところではなく、東電のHPや内閣府のHPのトップに一番目立つように)、必要以上と思われるくらいの説明をしたうえで実施してほしいと思います。